FTH-102特定小電力無線機の修理

特定小電力無線機の修理をしました。物はYAESU無線(今はバーテックススタンダード)です。特定小電力無線機と言う、免許の必要がないトランシーバーです。誰でも使えます。機種はFTH-102と言う無線機です。

FTH-102
FTH-102 今でも人気はある。

 きっかけは、このうちの1台が非常に受信感度、送信がすこぶる悪く、実際使用すると10mも電波が飛ばないと言うことで発覚しました。だだこのたぐいの無線機は素人が簡単にばらせると言う代物ではありません。素人避けの策です。解体にはそれなりの経験と知識が無いと出来ませんのでご注意下さい。また特殊ドライバーが必要なので簡単にはあけられません。このトランシーバーは既に保証期間、ISOで言うところの保守部品は殆どありませんので、自分で修理するしかありません。

 まず手持ちの受信機で、送信した電波の受信状態を確認します。使用する受信機は信号強度がメーターで表示されるので電界強度がある程度目視できます。

 1CH の 422.200MHz で確認したところ、別の無線機より強度が1/3位しかなく、これは何か問題があるなと。そして輪を掛けて付属の固定アンテナが回ってはいけないのですがクルクルとまわってしまうのです。きっとここに問題があると断定。早速解体に入ります。が、これがまた知恵の輪状態で、あっちを押さえながらこっちをばらすと言う状態(^^;;
半田ごてを持たないと最後の電池ケースで引っかかります。もちろん戻すときも電池ケースで引っかかります。鬼門・・・です・・

で解体した結果やっぱりアンテナに行く線が断線しておりました。写真が断線している写真です。

断線している。見えづらいので
見えやすいように
本当はこの様にしっかり接続してある

 すこしピンぼけ気味ですが、間違いなく断線しています。そして右側の写真が正常な無線機の接続部分です。あきらかに断線しています。。それもアンテナがクルクル回っていたため、接続ケーブルも、巻き取られて切断されていると言う感じです。

 そして今度はこのアンテナを一度きれいに取り外し、再度取り付けます。この時スプリングワッシャーが入っていたらゆるむ事も少ないだろうと言うことで、入れてみました。残念ながら、アンテナ取り外し後の作業写真は時間の都合上撮影を忘れてしまいました。(笑

ちゃんと接続されている方
アンテナ取り外し

 きれいにアンテナを取り外した写真です。この後配線をしなおし、仮に電源を接続して送信テストをします。修理前より格段に送信受信ともに正常となりました。出力は大体6~7mW程です。10mW出ればいいのですが、古いので仕方ないですね。パワーの調整も出来ますが、チャンネルでアンバランスになるので今回はいじっていません。いじってもしょうがないパワーです。

 最後に認定された無線機を解体すると言うことは無線機に付いている封印を解くことになりますので厳密には、非認定機種となります。そのまま使うと正式には電波法違反となりますのでご注意下さい。特に業務用無線機等は、赤く封印されたシールが付いています。これを破ってしまうと、保証すら効きませんのでさらなるご注意を。あくまでも自己責任の範囲でお願いいたします。

業務に使用せずアマチュア無線帯に変更し、保証認定を受ければ問題はありませんが。

ただ特小無線は封印を破ったからといって、違反出来るような代物ではありません。あしからず。