TS-660の修理

TS-660の修理依頼です。中古で購入してからしばらく電源を入れてなくて、入れたら送信NG。受信イマイチと言う事でお預かりしました。主な内容は以下の通り。

  1. 送信出力が不安定
  2. 電波が出ないバンドがある
  3. その他点検

パワー計を接続し電源をON。各バンドと言っても、TS-660なので、50/28/24/21MHzの Quad Bander なので直ぐ終わります。測定していきます。

フロント リア 作業前測定 21MHz は出る

作業前測定 24MHz は出ない 作業前測定 28MHz は出る 作業前測定 50MHz は出ない

内容は分かりました。50,24MHz の電波が出ない訳ですね。まー大抵、この機種の場合はフィルターユニットのリレーの接触不良が原因です。ただこのフィルターユニットは、ファイナルユニットを外さないとアクセス出来ないのです。HI-Power仕様ではないのでアクセスはさほど難しくはないのですが、面倒といえば面倒です。

ファイナルユニット取り外し フィルターユニット出現 無事抽出しました。

青い箱がリレーです。これらを取り外して行きます。外すのは全然問題ありません。代替えのリレーを探します。幸い秋月電子に在庫がありましたので、50個くらい頼みました(苦笑)使う予定の物は大量に購入しておきます。どちらにしても使用するので。まぁお安いですので、大量注文します。※大量買いも限度がありますのでご注意下さい。

リレーを取り外していきます 大量買いするこう来ます。 交換完了です。

実はリレーはここだけでは無く、RF UNIT にもあります。ここが大本なのでここも交換しておきます。RFユニットを引っ張り出して交換します。

RFユニットのリレー右下 取り外しました 交換完了

全てを元に戻します。そして待望のパワー測定。写真では全てのバンドが出ています。実はこの前に24MHzだけ電波が出なくて「またばらさなきゃダメか」と苦慮していたのですが、ふと気がついてこの頃の RIG はまだ WARCバンドが許可になる前だったのでもしかしたら送信禁止回路そのまま残ってるのかと。当時ですと、TS-130やTS-830/530 なんかも送信禁止回路組まれていましたね。RFユニットに仕掛けがあり、1本だけ白い線が見えて居ると思います。これが送信禁止回路のジャンパーで、これを抜くと24MHzが出ます。すっかり頭から抜けていのました。見てみると差し込まれたままですので、ひょいと抜きます。これで事なきを得まして無事24MHzの出力が出るようになりました。

修理後 21MHz 出力 修理後 24MHz 出力 修理後 28MHz 出力
修理後 50MHz 出力

周波数可変がすべり気味でしたので、若干調整と、受信感の調整を掛けて修理完了と致しました。実は内蔵のパワー計の振れがまばらだったのですが、どこかのバンドであわせると、他のバンドが振り切ったり、振らなかったりと調整がシビアだったのでだいたいのところで止めました。おかげで24MHzが少なく表示しています。パワー計も、スラグが100Wしかなかったのでそれで測定しています。10W近辺を指していますが、おおかた10W以上出ている様ですので良しとしました。修理日数は部品待ちを除いてこちらも延べ2日ていどとなりました。

2022/10/08   新規作成