MSK144の設定に関する考察 流星反射通信を行い始めて1ヶ月ほどですが、この間に3回ほど利用する機会がありましたので色々と考えて見ました。というかWSJT-Xののマニュアルを日本語化した時にいろいろと見えてきたのもあります。もしかすると表記誤りや、理解ミスをしているかも知れませんが、一応WSJT-Xのマニュアルから得た物を含めて記載しておきます。 PCの処理能力 PCの処理能力もかなり必要になるのも解りました。WSJT-Xの推奨は Core i 3 以上。確かに Core 2 Duo の2.1GHz でdecodeを deepに設定すると左下の Receiving が80%を超えて赤くなり極端にPCが遅くなります。ロースペックなPCな場合は注意して下さい。特にDecode出来ない局を拾っているときはここのパーセンテージが上がりますし、ロースペックだと固まります。逆に安定して受信出来ると一気にパーセンテージは落ちます。 こうなると危険です。私もNote(ThinPAD-Core 2 Duo)とディスクトップ(Core i 5)を使っていますが、当然 Core i 5 のPCの方が遙かに性能が上です。常にグリーン。80%以下が理想です。 PCの時間設定 PCの時間設定ですが、未だに時間軸のズレたままの方が多いです。ここでよく耳にするのが「Windows 7なら標準で付いている校正システムを使っているから大丈夫です。」これ、実はきちんと設定しないと動きません。デフォルトのままは厳禁です。(特にNTPサーバーの参照先。デフォルトはエラーが多いです。)いちいちここで書くのもなんですけど、外部のソフトに任せる事をおすすめします。ただし外部のソフトも、設定を(NTPサーバーの接続先)をきちんとして上げないと意味がありません。Windows10は幸いマシにはなりましたが、毎回修正している訳ではないので、運用する前に必ず時間は合わせましょう。NTPサーバーは検索すると出てきます。出来れば日本のもので。海外の物は参照しないで下さい。(伝送距離が長いので遅延します) 時間を合わせないと、どんな弊害があるかと言うと、まずデコード出来ない事が多くなります。(FT8なんかは2.5秒以上ずれるとデコードもしてもらえません)そして、時間内に送信が終わらないので相手の送信時間まで食い込んでしまいます。そうすると次、デコード出来ない事が多々あります。MSK144に関しては5秒を1スロットで送るので、次の5秒で受信できるかとは思います。が、それより他局への迷惑となります。このことを十分理解して頂き、運用して頂きたいと思います。 送受信周波数 MSK144は FT8やJT65みたいな広範囲の受信と言うのは出来ません。MSK144の場合、送信周波数が 50.260+1500Hz となります。この50.260と言う周波数。無線機も沢山あります。その無線機によって、正確に50.260では無いこと、これは既知の問題でもあります。「自分の無線機のデジタル表示が50.260MHz だから間違いない。」と言う方がいらっしゃいますが、それを証明できますか?何事も根拠が無ければなんの意味もありません。正確な周波数カウンター(毎年校正されたもの)を使って測定し問題なければOKですが、通常の方はそんなもん持ってないですよね。安いカウンターで測定してます。と言ってもそのカウンター校正されていなければ意味がありません。言っておきますが。「メーカーで・・・云々」一緒です。置きが長すぎてしまいましたが、ここはそこを理解して頂き、デコード出来ない場合の対処、設定方法を記載しておきます。 MSK144の搬送波は1500Hzとなっています。なので受信側もこの搬送波の1500Hzに近づける必要があります。まず知っておくのは自分の送信機の周波数がいくらずれているか把握しておかないとなりませんね。でもそんな測定器もないのに解らない訳ですから、合わせていくしかありません。
受信の調整と受信 送信する前にまず、受信が出来るようにしておかなければなりません。(これ重要です)ローカルさんにMSK144の電波を出せる人が居たら是非手伝って頂きましょう。また都会だと、MSがあれば CQ を出しているひとが居るので受信して見ましょう。 もしここ、全く受信出来ないと言う場合は、F Tol の設定周波数からかなりかけ離れている事になります。逆に言うと Fズレは相手局も同じです。とりあえず誰かを受信して F Tol 200Hz の範囲に収める必要があるので、ローカルさんに手伝って頂くのが良いかと思います。 誰かとQSOしている人が居ればその人を基準にしていくと、見えてくると思います。まずは F Tol の範囲内に受信周波数を設定して下さい。見える位置にすれば送信すると call back の確率は up します。運用していくとだいたいの周波数が把握できるようになります。出来るようになれば、特に設定する必要は無くなります。 ※送受信出来ない場合。(送信してもデコードされない、受信も出来ない)そんなときは ANT の VSWR も確認して下さい。またANTを設置している場所(これは変更出来ない場合がほとんどですけど)等を確認して下さい。 RIT ON になっていませんか?送信を固定して RIT ON もアリなんですが、これをするにはきちんと送受信が出来ると言う事が条件です。それ以外は RIT の ON は避けましょう。RIT も1クリック 1Hz とか 10Hz なら良いのですが、100Hzくらい動くのは駄目だと思います。 何にしてもまず、受信が出来てから送信して下さい! 呼ばれても答えられないので。 交信について 特に注意事項はありません。FT8をやっているなら auto seq にチェックが入っていれば自動でやってくれます。MSK144の場合 MSが中継相手なので1つのQSOに何分も掛かる場合があります。根気よく送信して下さい。ある程度送信しても無駄な時があります。その時は一旦中止し、何分か置きに1回15s送信してみると良いです。時としていい加減経過してから返答されることもありますので。 何回か送信してなにも聞こえないからすぐ居なくなるのは辞めましょう。上に書いたとおり時間かかりますので、もしかすると忘れた頃にポロッとデコードするかも知れません。(過去に何度もあります) また PSK Reporter も活用して下さい。自分の電波が飛んでいるかもチェック出来ます。 デコードした際に沢山出てくる。 MSK144は最初にみ書きましたが5秒1スロットで送り出ししますので、15秒送りですと、最低でも3回出ます。色々やっているとこれが変化します。5秒1スロットの中にも何度か call を送出しているようなので 5秒の間でも複数デコードするときもあります。これは短い反射の中でもデコード出来るようになっています。なのでちょっとした信号でもデコードしてくれます。 逆に信号強度が強く安定している場合は1度しかデコードしません。1度デコードすると WSJT-Xは安心して、解読効率を一気に下げます。デコード出来ない信号が来ると、Recceving のパーセンテージがupします。 デコードされると沢山出てなんか気になりますが、最終的に仕様なので気にしないで下さい。 Decodeの設定
Decodeの設定ですが、こちらも最初に書いた通り、Deepが一番PCに負荷がかかり1回でデコードしなかった物を再度解析しようとするため負荷がかかります。と、同時にウォーターフォールの表示もゆっくりになります。これは取れなかったデータを解析しようと頑張るために起こる現象です。Deepにすると、ちょっとしたデータでもデコードするようになります。ただし、書いた通りPCに負荷が掛かります。 (Normalは飛ばします)Fastにすると、ウオーターフォールのscanも早くなりますまた、負荷も軽くなります。なのである程度の受信であればFastでも問題ないかとは思います。こちらにするとデータ音が聞こえたのにデコードしてくれない・・ことはあります。もとより Deepにしていてもしない可能性もあります。軽い方が良いと言う方は、Fastにしておくといいでしょう。 この中間が良いと言う人は Normalで。 また気になったことがあれば追記します。 |